
頸部の疾患にはさまざまな種類があり、原因によって症状や治療法が異なります。ここでは、代表的な頸部疾患の特徴や治療法について詳しく解説します。
頸部疾患の種類
頸部の疾患は大きく「特異的疾患」と「非特異的疾患」に分類されます。
- 特異的疾患(原因が特定できる疾患)
レントゲンやMRIなどの画像診断で原因が特定できる疾患を指します。
① 頸椎椎間板ヘルニア
【特徴】
• 頸椎の椎間板が変性し、髄核が後方に突出して神経を圧迫する。
• 腕や手のしびれ、筋力低下が現れることが多い。
• 首を後ろに反らすと痛みが増悪する。
• 咳やくしゃみで痛みが強くなることがある。
• C5/6やC6/7が好発部位(首の付け根付近)。
• 重症例では脊髄圧迫により歩行障害が出現することもある。
【治療】
• 保存療法:頸椎カラー装着、リハビリ、鎮痛薬、神経ブロック。
• 手術療法:前方除圧固定術や内視鏡下手術(重度の場合)。
② 頸椎症(変形性頸椎症)
【特徴】
• 加齢により椎間板や椎体が変性し、骨棘が形成されて神経を圧迫。
• 肩こり、腕のしびれ、握力低下などの症状が現れる。
• 首を動かすと痛みが増し、動きが悪くなる(可動域制限)。
• 長時間のデスクワークや前傾姿勢で悪化。
• 進行すると頸髄症を発症し、歩行障害や巧緻運動障害を引き起こすこともある。
【治療】
• 保存療法:温熱療法、ストレッチ、理学療法。
• 手術療法(重症例):椎弓形成術や固定術。
③ 頸部脊柱管狭窄症
【特徴】
• 加齢や変性によって脊柱管が狭くなり、脊髄や神経根が圧迫される。
• 手足のしびれや麻痺、歩行障害(脊髄症状)が特徴的。
• ボタンを留める動作がしづらくなる(巧緻運動障害)。
• 転倒しやすくなることがある。
• 特に60歳以上の高齢者に多くみられる。
【治療】
• 保存療法:運動療法、薬物療法、神経ブロック。
• 手術療法(重度の場合):脊柱管拡大手術。
④ 頸椎椎間板症
【特徴】
• 頸椎の椎間板が加齢や負荷により変性し、痛みや可動域制限が生じる。
• 慢性的な首の痛み、肩こり、頭痛が主な症状。
• ヘルニアとは異なり、神経圧迫が軽度のことが多い。
• 長時間のデスクワーク、姿勢不良が誘因となることが多い。
• ストレートネックとの関連が強い。
【治療】
• 保存療法:姿勢改善、ストレッチ、理学療法。
• 薬物療法:鎮痛薬、筋弛緩薬。
- 非特異的疾患(原因が特定しにくい疾患)
画像検査では明確な異常が見つからないが、症状がある疾患を指します。
① ストレートネック
【特徴】
• 頸椎の自然な湾曲(前弯)が失われ、まっすぐな状態になる。
• 首や肩のこり、頭痛、めまいが主な症状。
• 長時間のスマホやPC作業で悪化。
• 猫背と関連することが多く、肩甲骨の可動性が低下していることが多い。
• ストレートネックが慢性化すると頸椎椎間板症を引き起こすことがある。
【治療】
• 姿勢矯正:枕の高さ調整、デスク環境の改善。
• 運動療法:首・肩・背中のストレッチ。
② むち打ち症(外傷性頸部症候群)
【特徴】
• 交通事故などで頸部に過度な伸展・屈曲が加わり発生。
• 首の痛み、頭痛、めまい、吐き気などの症状。
• 発症後すぐに症状が出ることもあれば、数日後に出ることもある。
• 交感神経の過敏化により、自律神経症状(不眠、動悸など)を伴うことがある。
• 長期化すると慢性痛へ移行することがある。
【治療】
• 急性期:安静、頸椎カラー装着。
• 慢性期:運動療法、温熱療法。
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まとめ
頸部疾患にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴に応じた適切な治療が必要です。長引く痛みやしびれがある場合は、専門医の診断を受けることをおすすめします。
予防として、正しい姿勢の維持、適度な運動、ストレッチを心がけることが重要です。