ストレートネックとは?
ストレートネックは、本来前弯しているはずの頸椎(首の骨)が、まっすぐに近い状態になることを指します。
スマートフォンやデスクワークの影響で、現代人に非常に多く見られる姿勢の異常です。
この状態が続くと、首や肩の筋肉に負担がかかりやすくなり、頭痛・肩こり・寝違えなどの原因にもなります。
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ストレートネックの原因とは?
ストレートネックとは、本来ゆるやかなカーブを描くはずの頸椎(けいつい)がまっすぐになってしまった状態を指します。
頸椎とは、首の骨で、全部で7つあり、上から下へとS字カーブを描いて頭の重さを支えたり、衝撃を吸収する役割を持っています。
このカーブが失われてしまう主な原因は、以下のような「首にかかる不自然な負荷や姿勢習慣」です。
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① 長時間のスマートフォン・パソコン操作
スマホやパソコンを見るとき、頭を前に突き出した姿勢になりがちです。
この状態では、頭の重さ(約5〜6kg)が首の後ろ側の筋肉や関節に何倍もの負荷をかけます。
🔍 例えば
• 首が15度前に傾くと → 約12kg
• 30度傾くと → 約18kgの負担が首にかかるとも言われています。
このような姿勢が続くと、首の生理的なカーブ(前弯)が徐々に失われていき、ストレートネックになります。
② 姿勢の崩れ(猫背・巻き肩)
猫背や巻き肩の姿勢も、ストレートネックの大きな要因です。
猫背になると自然と頭が前に出て、肩も内巻きになります。
それにより、首周囲の筋肉(胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、僧帽筋など)がアンバランスに緊張し、骨格にも悪影響を与えます。
③ 枕の高さや寝姿勢の影響
高すぎる枕や、うつ伏せ・横向き寝なども首の自然なアーチを崩す原因になります。
特に高い枕では、頸椎の過伸展(そらしすぎ)や屈曲(前に曲がる)が起きやすく、長期的に見るとストレートネックを促進する可能性があります。
④ 筋力低下・運動不足
特に、頸部の深層筋(ディープネックフレクサー)と呼ばれる小さなインナーマッスルが弱くなると、首が正しい位置で支えられなくなり、前に出やすくなります。
これにより、「支えきれない頭を筋肉で何とかしようとして、姿勢が崩れ、ストレートネックが進行する」という悪循環が起こります。
⑤ 精神的ストレス・緊張
実は、精神的なストレスや不安が強い人も、無意識に首や肩に力が入りやすくなり、姿勢が悪くなる傾向があります。
交感神経が優位になると、筋肉の緊張が抜けにくくなり、慢性的な姿勢不良を助長します。
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セルフケア方法
ストレートネックを改善・予防するためには、「姿勢を正す」だけでなく、「首まわりの筋肉のバランスを整える」「正しい寝具を選ぶ」「習慣を見直す」ことが大切です。
以下に、自宅でも簡単にできるセルフケア方法を紹介します。
① タオルを使った首のリセットストレッチ
目的: 首の自然なカーブ(前弯)を再びつくる
1. バスタオルを丸めて、直径10cm程度の円柱状にします。
2. 仰向けに寝て、タオルを首の下に当てる(ちょうど頸椎の下の方に当たるように)。
3. 両手はお腹の上に置き、力を抜いて1〜2分キープ。
✅ポイント
• 無理に反らさず、心地よい伸び感を感じる程度に
• 寝る前に行うとリラックス効果も◎
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② ディープネックフレクサー(深層筋)トレーニング
目的: 首の深部の支える筋肉(頸部屈筋群)を強化する
この筋肉が弱いと、頭を正しい位置で保てず、ストレートネックが悪化しやすいです。
1. 仰向けになって、首の後ろを軽く床につける。
2. 顎を少し引き、“二重あご”をつくるイメージで軽く首を床方向へ押す。
3. 首は持ち上げず、あくまで「顎を軽く引くだけ」。
4. 5秒キープ × 10回(朝晩がおすすめ)
✅ポイント
• 首に力を入れすぎない
• 胸鎖乳突筋などの表層筋ではなく、あくまで“奥の筋肉”を意識
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③ 姿勢を整える習慣を身につける
ストレートネックの最大の原因は、前かがみの姿勢やスマホ首(テキストネック)です。
以下のポイントを意識しましょう。
• スマホは目の高さに近づける
• パソコン画面は目線の高さに、椅子・机の高さも調整
• 30分ごとに軽く肩・首を回す習慣を入れる
✅ 椅子に深く座り、骨盤を立てるように座ることで、自然に背すじも伸び、首が前に出にくくなります。
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④ 温めで筋緊張を和らげる(冷やすより◎)
首・肩まわりが硬くなっている方には、温めが特に効果的です。
ストレートネックでは僧帽筋上部、肩甲挙筋、後頭下筋群などが過緊張になっているため、温熱で血行を促進し、筋肉をゆるめることで痛みも緩和されます。
✅おすすめ方法
• ホットタオルを首の後ろに当てて5分程度
• 入浴でしっかり温まる(シャワーだけでなく湯船に)
• 市販の温熱シートを使用するのもOK
✅急性のケガや熱感・腫れがあるときは逆に冷やす必要がありますが、慢性的なストレートネックによる張りや違和感には温めが適しています。
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枕選びが重要!
睡眠中、私たちの身体は約6〜8時間、同じ姿勢で横になっています。
この時間に首が過度に伸ばされたり、反りすぎたりすると、筋肉や神経にストレスがかかり、痛みや違和感を招く原因となります。
そのため、ストレートネックの方にとって「枕」は非常に重要なセルフケアツールです。
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ストレートネックの人に向いている枕の特徴
1.高さは「低め」が基本
ストレートネックの方は、首のカーブが少ないため、高すぎる枕は首が前に押し出されてしまい逆効果です。
→理想は 仰向けで寝たときに、あごが軽く引けて自然な姿勢になる枕です。
2.首の下をしっかり支える構造
理想は、後頭部と首のくぼみを別々に支える形状。
→「首を支えるまくら」「ネックサポートまくら」などのキーワードで販売されているものは、比較的ストレートネックに向いています。
3.硬さは「やや硬め」がおすすめ
沈みすぎる枕は、首が不安定になりやすく、筋肉が緊張しやすくなるためNG。
適度な反発力があり、首を安定させられる素材(高反発ウレタンやパイプなど)が良いです。
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理学療法士としての視点:患者さんに実際に勧めている方法
私自身、ストレートネックの患者さんに枕を選ぶ際は、以下のようなポイントを伝えています。
• 枕の高さをフェイスタオルで微調整して試す
• できれば仰向け中心の寝姿勢を保つ(横向きは枕が高めになる傾向あり)
• 朝起きた時に「首が楽」と感じるかが最重要な判断基準
市販の枕にこだわらず、今ある枕にタオルを加えて調整するだけでも大きく変わる場合があります。
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注意:高反発すぎても逆効果
「硬ければいい」というわけではありません。
あまりにも硬すぎると、首と枕の間にすき間ができて不安定になり、筋肉が緊張してしまいます。
→あくまで“自然なフィット感”と“首の支え”の両立が大切です。
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おすすめのまくら紹介
ストレートネック対策なら【Cure:Re THE MAKURA】におまかせ!
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まとめ
✅セルフケアは“習慣化”がカギ
ストレートネックは「すぐに治るもの」ではありませんが、少しずつ良い習慣を積み重ねることで、確実に改善が見込めます。
- 1日5分のタオル枕
- 寝る前の温め習慣
- デスクワーク中の姿勢チェック
✅ストレートネックと枕の関係を正しく理解しよう
ストレートネックを改善・予防するためには、日常の姿勢改善と合わせて、就寝中の姿勢の見直しも重要です。
その中でも枕は、首に直接関わるアイテムであり、身体に合った枕選びは症状の改善にもつながります。
理学療法士としての経験からも、正しい枕選びは「治療」ではなく「予防・セルフケアの一環」として非常に有効です。
ぜひ、あなたに合った枕を見つけて、より快適な睡眠と、ストレートネックの緩和を目指しましょう!
こうした地道なケアが、未来の首の健康を守る一歩になります!