【理学療法士が解説】「肩こり・腕のしびれ・だるさ」それ、頸肩腕症候群かも?理学療法士が原因と治し方を解説!

「最近、肩こりだけじゃ済まない…」そんなあなたへ
• パソコン作業が続くと、肩から腕にかけてだるくなる
• マッサージしても一時的にラクになるだけ
• 整形外科で「異常なし」と言われたけど、つらさは続く…

そんな経験はありませんか?
それは、ただの肩こりではなく 「頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」 かもしれません。

この症状は、姿勢・神経・筋肉・呼吸など、さまざまな要素が絡み合って起こる「複合的な不調」です。
本記事では、現役の理学療法士が頸肩腕症候群の原因・タイプ別の特徴・セルフケア方法を詳しく解説します。

🔍 頸肩腕症候群とは?

首から肩・腕にかけて起こる、痛み・しびれ・だるさなどの慢性的な症状のこと。
X線やMRIなどの画像検査で異常が見つからないことが多く、医療現場でも診断が難しいケースがあります。

原因は一つではなく、以下のような要因が複合的に関係しています:
• 猫背・ストレートネックなどの姿勢不良
• 首・肩・背中の筋肉バランスの崩れ
• 神経の滑走不良や軽い圧迫
• 呼吸が浅くなることでの交感神経の緊張

特にデスクワーカーやスマホ使用時間が長い人に多くみられます。

🧠 頸肩腕症候群が起こるメカニズム

① 姿勢と神経のストレス

猫背やストレートネックになると、
首の神経(腕神経叢)や血管が圧迫されたり、周囲の筋肉が過緊張を起こしたりします。
• 首を後ろに反らすとしびれが出る
• 同じ姿勢でいると腕にだるさが出る

これは、神経が滑らかに動けていない状態(滑走不良)が関係しています。

② 肩甲骨の不安定さ

不良姿勢により肩甲骨がズレ、肩甲挙筋・僧帽筋が緊張しやすくなります。
その一方で、肩を支えるべき前鋸筋や下部僧帽筋はサボってしまう状態に。

このアンバランスが慢性的なコリやだるさを生み出します。

③ 呼吸の浅さと交感神経の緊張

浅い呼吸 → 胸郭の動き低下 → 交感神経優位
という流れになり、筋肉の血流が悪くなってしまいます。

この状態が続くと、痛みを増幅させやすい体内環境になってしまうのです。

🔍 セルフチェック:どのタイプの頸肩腕症候群?

【1】頸椎神経根圧迫型
• 特徴:首の動きでしびれや痛みが変化する
• 例:うがい時や首を反らすとしびれが強くなる
• 対処法:整形外科を早めに受診

【2】筋筋膜型
• 特徴:肩甲骨周囲のコリ・こわばりがメイン
• 例:同じ場所ばかりが重くなる、マッサージで一時的に改善
• 対処法:筋膜リリース・姿勢修正

【3】神経滑走不良型
• 特徴:動作中にジワジワしびれるが、安静時は軽い
• 例:腕を伸ばすとピリピリする
• 対処法:神経モビライゼーション(滑走運動)

【4】自律神経型
• 特徴:手の冷え・むくみ・睡眠の質低下などを伴う
• 例:手が冷たい、眠りが浅い
• 対処法:胸郭ストレッチ・呼吸法・リラクゼーション

🏠 セルフケア:姿勢と筋肉バランスを整えよう

🔸1. ストレートネック改善|チンインエクササイズ

方法:
1. 壁に背をつけて立つ
2. 顎を軽く引いて、首をまっすぐに
3. 10秒キープ × 5セット

👉 首の神経の通り道を整える基本エクササイズ

🔸2. 肩甲骨安定|壁プッシュプラス

方法:
1. 壁に手をつき、肩甲骨を「寄せずに」前へ押す
2. 10回ゆっくり繰り返す

👉 前鋸筋を鍛え、肩の安定性アップ

🔸3. 自律神経のリセット|胸郭ストレッチ+深呼吸

方法:
1. 両手を頭の後ろで組む
2. 胸を開いて深呼吸×10回
3. 朝晩1セットずつ

👉 呼吸を整え、自律神経をリラックス方向に

まくら選びも重要!

睡眠中、私たちの身体は約6〜8時間、同じ姿勢で横になっています。
この時間に首が過度に伸ばされたり、反りすぎたりすると、筋肉や神経にストレスがかかり、痛みや違和感を招く原因となります。
そのため、頸肩腕症候群の方にとって「枕」は非常に重要なセルフケアツールです。

🟢【おすすめ】まくら

首×肩のケアを徹底追及!新たな体験に導く「ダブルまくら」

🏥 整形外科の受診を検討すべきサイン


• しびれや痛みが日に日に強くなっている
• 夜間痛や握力低下がある
• セルフケアで2週間以上改善がない

これらに当てはまる場合は、整形外科で神経の評価を受けることをおすすめします。
必要があれば、神経伝導検査やMRIなどで精査されます。

💡まとめ|頸肩腕症候群は“身体からの黄色信号”

頸肩腕症候群は、「ただの肩こり」ではありません。
放っておくと慢性痛・自律神経の乱れ・仕事への集中力低下などにつながる可能性もあります。

まずは日々の姿勢を見直し、身体を“正しい使い方”に戻す意識を持つことが大切です。
あなたの体は、今日からでも変わり始めます。